近年、Facebookを利用していると、思わずクリックしてしまいそうな魅力的な広告が数多く表示されます。
しかしその中には、実在する企業や有名人をかたり、巧みにユーザーをだます詐欺広告が潜んでいることも少なくありません。
以前よりも広告の審査体制は強化されているものの、手口はますます巧妙になり、被害に気づかないまま情報を盗まれたり、金銭をだまし取られたりするケースが後を絶ちません。
本記事では、Facebook上でなぜ詐欺広告が蔓延しているのか、背景と手口を詳しく解説します。
怪しい広告を見分けるポイントや実際に被害にあってしまった場合の具体的な対処法まで、わかりやすくまとめました。
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Facebookなど…SNS投資型詐欺は増加傾向に
2023年以降、日本ではFacebookやInstagramなどSNS経由の詐欺被害が急増しています。
警察庁の発表によれば、2024年は年間の認知件数が6,380件（+4,109 +180.9％）、被害額は871.0億円（+593.1億円、+213.4％）にものぼりました。
Facebookの被害も少なくありません。
以下は、犯行に使われたSNSに関する情報ですが、男性の場合は当初接触ツールとして最も多いのがFacebook（680件、19.1%）となっています。
さらに、Facebook広告はターゲティングの精度が高く、他の媒体と比較しても狙った見込み顧客にヒットしやすいという性質があります。
そのためか、詐欺的な業者による広告も多く、世界的にも問題となっています。
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Facebookの広告詐欺が今も蔓延している理由
Facebookでは、日々さまざまな広告が表示され、多くのユーザーが目にしています。
その中には信頼できる企業の正規の広告もありますが、一方で詐欺を目的とした悪質な広告も依然として存在しています。
以前に比べてFacebookの取り締まりも強化されているものの、詐欺広告は完全にはなくならず、むしろ巧妙化してユーザーをだまそうとするケースが後を絶ちません。
今もFacebook上に詐欺広告が蔓延している背景には、広告出稿のハードルの低さや表示機能の高さ、細かなターゲティングが可能な仕組みなど、広告システムそのものの特徴が関係しています。
審査がゆるく誰でも手軽に広告を出せる
Facebookの広告は、個人や企業を問わず簡単に出稿できる仕組みです。
特に、オンライン上で広告を掲載するためのハードルが低いため、詐欺目的の業者も容易に広告を出せる状況が続いています。
広告を出す際には一定の審査が行われますが、基準が厳格とはいえず、不正な広告も通過してしまうケースが少なくありません。
このような背景から、Facebook上では今も詐欺広告が後を絶たない状況が続いています。
広告の表示機能の効果が高い
Facebookの広告は、ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいて最適なターゲットに配信されます。
これにより、広告の表示回数やクリック率が高くなり、宣伝効果が大きくなるのが特徴です。
本来であれば、企業の商品やサービスを効率よく宣伝するための優れた仕組みですが、詐欺業者もこのシステムを悪用しています。
また、一度広告を見た人に繰り返し表示されるリターゲティング機能によって、信頼性があるように錯覚してしまうケースも少なくありません。
広告に合わせてターゲットを細かく絞れる
Facebookの広告システムは、ユーザーの年齢、性別、居住地などの詳細なデータをもとに、ターゲットを細かく設定できます。
これにより、企業は自社の商品やサービスに関心を持つ可能性が高いユーザーに効率的に広告を届けられます。
しかし、この機能は詐欺広告にも悪用されやすい一面を持っています。
詐欺業者は、特定の年齢層や関心を持つ層を狙い撃ちし、信頼を得やすいように広告を表示します。
こうした高度なターゲティング機能が、詐欺広告の拡散を助長しているのが現状です。
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Facebook詐欺広告の手口と特徴
Facebook広告の詐欺業者は、ユーザーの信頼を得るために、大手企業や有名人の名前を悪用したり、あり得ないほど安い価格で商品を販売したりと、さまざまな方法でターゲットを引き寄せようとします。
では、Facebook上に蔓延する詐欺広告の代表的な手口と特徴について、具体的な例を挙げながら解説していきます。
実際にある大手有名企業の名前をかたる
Facebookの詐欺広告の中には、AmazonやNike、Appleなど、誰もが知っている大手企業の名前を悪用するものが多く見られます。
一見すると本物の広告のように見えるため、信頼してクリックしてしまう人も少なくありません。
企業のロゴや公式サイトに似せたデザインを使用し、限定セールや特別キャンペーンといった魅力的な文言を掲載することで、消費者の興味を引きつけます。
こうした広告のリンクをクリックすると、本物の公式サイトと見分けがつかない偽サイトに誘導されることが多く、クレジットカード情報や個人情報を入力させられる危険があります。
また、注文しても商品が届かないケースや、偽物が送られてくるケースもあります。
本物の企業が公式に発表していないキャンペーンや割引情報には注意し、必ず公式サイトのURLを確認しましょう。
著名人・有名人を出す
Facebookの詐欺広告では、著名人や有名人の名前や写真を使って信用度を高める手口がよく使われます。
投資関連の詐欺では、実際には関与していない著名な実業家やインフルエンサーの写真を掲載し、「〇〇氏も推奨！」「この方法で〇〇さんが億万長者に！」といった誇大広告を行うケースが多く見られます。
また、芸能人やスポーツ選手の名前を使ったダイエット商品や美容製品の広告も頻繁に出回っています。
「〇〇さんが愛用！」と宣伝し、実際には無関係な商品を販売する手法です。
こうした広告の多くは、本人の許可なく作られた偽情報であり、公式のSNSやサイトには一切記載されていないことが特徴です。
高価で質のよい商品やサービスを安価で提供する
Facebookの詐欺広告では、本来高額なブランド品や高品質なサービスを、驚くほど安い価格で提供すると謳う手口がよく見られます。
例えば、「最新のiPhoneが80％オフ」「有名ブランドのバッグが90％オフ」といった広告です。
消費者心理として、通常では考えられないほどの割引率を見ると、お得だと感じて購入してしまうことがあります。
しかし、こうした広告の多くは詐欺の可能性が高く、実際に注文しても商品が届かなかったり、全く異なる粗悪品が送られてきたりするケースが報告されています。
また、偽の通販サイトにクレジットカード情報を入力すると、不正利用されるリスクもあります。
SSL化されhttpsから始まるURLで安心感を出す
Facebookの詐欺広告では、公式サイトのように見せかけるために、URLを「https://」で始まるものに設定する手口が使われることがあります。
一般的に、SSL化されたサイト（URLがhttp://ではなくhttps://から始まる）は安全性が高いと認識されていますが、詐欺業者が悪用し、偽サイトにSSL証明書を導入して利用者を安心させようとします。
ユーザーがリンクをクリックすると、見た目は本物そっくりのサイトに誘導されることが多く、ロゴやデザインが正規のものと似せて作られています。
そのため、URLの「https://」だけを見て安心してしまうと、個人情報やクレジットカード情報を入力するリスクが高まります。
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Facebookの詐欺広告を見分ける方法
Facebookの詐欺広告には、公式と微妙に違うURLやありえない安さ、低品質な画像、不自然な日本語など共通する特徴があります。
では、Facebook上で詐欺広告を見分けるための具体的なチェックポイントについて紹介します。
公式サイトのURLや本物の電話番号と一致しているか
Facebookの広告詐欺を見抜くには、表示されているURLや連絡先が本物の公式サイトのものと一致しているかを確認しましょう。
詐欺広告では、見た目が公式サイトに似ている偽サイトに誘導するケースが多く、URLをよく見ると微妙に異なることがあります。
例えば、企業名の一部が省略されていたり、余分な単語や数字が加えられていたりすることが特徴です。
また、正規の企業の電話番号と異なる連絡先が記載されていることもあります。
特に、問い合わせ先がメールフォームのみで電話番号が一切記載されていない場合は注意が必要です。
不審な広告を見つけたら、公式サイトにアクセスしてURLや電話番号を比較し、違いがないかを確認してください。
少しでも違和感があれば、直接企業の公式ページを検索して情報を調べることで、詐欺被害を防げます。
価格がありえないほど安い商品ではないか
Facebookの詐欺広告では、本来高額な商品を極端に安い価格で販売しているように見せかける手口がよく使われます。
有名ブランドのバッグやスマートフォン、家電製品などが80％オフ・90％オフといった大幅な割引で販売されている場合は注意が必要です。
一般的に、正規のブランド品や人気の最新機種がそんなに安くなることはほとんどなく、ありえないほどの値引きは詐欺の可能性を考えたほうがよいでしょう。
安さに魅力を感じたとしても、公式サイトや信頼できるショッピングサイトと価格を比較し、不審な点がないかを確認することが大切です。
少しでも疑わしいと感じた場合は、購入を控えるのが賢明な判断といえます。
広告に使われている画像が荒い・不自然ではないか
Facebookの詐欺広告では、正規の企業やブランドの広告に比べて、画像のクオリティが低いことがよくあります。
例えば、ぼやけたロゴやピクセルが粗い商品画像、明らかに合成されたような不自然な背景が使われているケースが多く見られます。
特に、有名ブランドの商品を扱っていると謳いながら、公式サイトでは使用されていない素人が撮ったような画像を使っている場合は、詐欺の可能性が高いです。
また、他のサイトやSNSから無断で転載した画像を使用していることもあり、同じ画像を別の詐欺広告で使い回している場合もあります。
不審な広告を見かけたら、その画像を逆画像検索して出どころを調べるのも有効です。
公式サイトの広告と比較し、明らかに質が低かったり、不自然な編集がされていたりする場合は、安易にクリックせず警戒しましょう。
広告の文章にも注目
Facebookの詐欺広告では、広告の文章に違和感があることが少なくありません。
特に、日本語の文法が不自然だったり、意味が通じにくい表現が使われていたりする場合は注意しましょう。
一方で、生成AIにより広告画像や文章がより自然で巧妙になり、以前より見破りにくい詐欺広告が増えています。もっともらしい文章だからといって油断は禁物です。
広告文に関する目安として、極端に煽るような言葉や、「今すぐ購入しないと損」などの焦らせる表現が多用されている場合が挙げられます。
考える時間を持たせず、判断力を奪わせるような表現を用いるのは詐欺の常套手段です。広告の文章をしっかり確認し、不自然な点があれば慎重に判断してください。
ユーザーからのいいねなどの反応がほとんど0ではないか
Facebookの正規の広告であれば、一定のユーザーから「いいね」やコメント、シェアなどの反応がつくのが一般的です。
しかし、詐欺広告の場合、反応がほとんどないことが多く、不審な広告を見分けるポイントになります。
詐欺広告は短期間で出稿され、運営側に報告されるとすぐに削除されることが多いため、ユーザーが反応する前に入れ替わる傾向があります。
そのため、広告を見たときに「いいね」やコメントの数が極端に少ない、またはゼロの場合は注意しましょう。
また、コメント欄が閉鎖されているケースもあります。
正規の広告ではユーザーの質問や意見が投稿されることが多いですが、詐欺広告では不審な点を指摘されるのを防ぐために、あらかじめコメント機能を制限していることがあります。
広告の反応がほとんどない場合や、不自然に制限されている場合は、すぐにクリックせず慎重に判断することが大切です。
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Facebookの広告詐欺被害にあったときの対処法
詐欺広告に関する被害は、支払いに使用した手段やアクセスしたサイトの内容によって対応が異なりますが、まずは金銭や個人情報の流出リスクを抑える行動が求められます。
また、Facebookへの報告や警察への相談といった公的な対応も、他の被害者を出さないために必要です。
では、実際に詐欺広告に引っかかってしまった際に取るべき具体的な対処法を解説します。
クレジットカードや電子マネーの利用ができないように止める
Facebookの詐欺広告に騙されてしまい、クレジットカードや電子マネーで決済をしてしまった場合、すぐに利用を停止しましょう。
詐欺サイトでは、支払い情報を悪用される可能性が高く、そのままにしておくと追加の請求が発生したり、不正利用されたりする危険があります。
クレジットカード会社や電子マネーの発行元に連絡し、カードの利用停止や、不正請求が発生していないかの確認を依頼すると安心です。
被害に気づいたらすぐにカード会社のカスタマーセンターに電話し、状況を説明して利用停止手続きを行いましょう。
また、一部のクレジットカード会社では、不正利用に対する補償があるため、状況を説明し、返金が可能かどうかを確認しましょう。
電子マネーの場合は、チャージ残高の凍結や取引の取り消しができるかを運営会社に問い合わせるとよいでしょう。
セキュリティソフトでスキャンする
Facebookの詐欺広告をクリックしてしまった場合、ウイルスやマルウェアに感染している可能性があるため、すぐにセキュリティソフトでスキャンを行ってください。
詐欺サイトの中には、アクセスしただけで不正なプログラムをインストールさせたり、個人情報を抜き取ったりするスクリプトを仕込んでいるものもあります。
特に、クレジットカード情報やパスワードを入力した場合、キーロガーなどの悪意のあるソフトウェアが動作している可能性があるため注意が必要です。
どのようなデバイスでアクセスしたかに関わらず、スマートフォン、タブレット、PCなど、使用したすべての機器でセキュリティチェックを実施しましょう。
セキュリティソフトを最新の状態に更新し、フルスキャンを実施することで、不審なプログラムがないかを確認できます。
また、不明なアプリや拡張機能が勝手にインストールされていないか、ブラウザの設定が変更されていないかもチェックするとよいでしょう。
万が一、感染が見つかった場合は、セキュリティソフトの指示に従って削除し、パスワードの変更や二段階認証の設定など、追加のセキュリティ対策を講じましょう。
Facebookの運営に報告する
Facebookの詐欺広告で実際に被害に遭った場合は、速やかにFacebookの運営に報告してください。
詐欺広告は、放置しておくと他のユーザーにも被害が広がる可能性があるため、できるだけ早く運営側に通知し、対応を求めることが大切です。
Facebookでは、広告や投稿に対して「報告」ボタンを使って不正行為を通報できます。
広告の右上にある「・・・」メニューから「広告を報告」を選択し、理由として「詐欺またはミスリード」などの適切な項目を選びましょう。
詐欺広告の場合は、広告の右上にあるメニューから「広告を報告」を選び、適切なカテゴリを選択して送信します。
また、詐欺サイトに誘導された場合は、そのURLを含めて詳細を報告すると、より迅速に対応してもらえる可能性があります。
警察に被害届を提出する
Facebookの詐欺広告によって金銭的な被害を受けた場合は、警察に被害届を提出しましょう。
特に、クレジットカードの不正利用や商品が届かないなどの具体的な被害が発生した場合は、適切な機関に相談し、記録を残しておくことで、後の対応がスムーズになります。
警察に被害を届け出る際は、できるだけ詳細な情報を用意することが大切です。
詐欺被害の申告には、被害状況の詳細や時系列の記録、支払い証明、広告のスクリーンショットなど、可能な限りの証拠を準備しましょう。
詐欺広告のスクリーンショットや取引の詳細、支払い履歴、相手の連絡先など、できるだけ多くの証拠を提出すると捜査の助けになります。
被害届を提出したからといって、必ずしも犯人が特定されるとは限りませんが、同様の被害が増えれば警察の捜査が強化されることもあります。
泣き寝入りせずに公式な手続きを取ることで、今後の被害を防ぐことにもつながります。
弁護士に被害補填の相談をする
Facebookの詐欺広告による被害を受けた際は、弁護士に相談することで被害補填の可能性が広がります。
特に、高額な被害を受けた場合や個人での対応が難しいケースでは、法律の専門家のアドバイスを受けましょう。
弁護士に相談することで、詐欺業者への返金請求の手続きやクレジットカード会社を通じた不正取引の取り消しなど、具体的な対応策を検討できます。
被害額が高額な場合、法律相談センターや消費者生活センターなどの公的機関に相談することも効果的な選択肢です。
また、詐欺グループが海外に拠点を持っている場合でも、国際的な法的措置を取るための方法を提案してもらえることがあります。
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まとめ
Facebookの広告は、便利で効果的なマーケティング手段である一方で、詐欺広告の温床にもなっているのが現実です。
審査のゆるさやターゲティング機能の高度さが悪用され、見た目には本物そっくりな広告が日々表示されています。
大手企業や有名人の名前を騙ったり、ありえない価格設定の商品を提示したりと、その手口はますます巧妙になってきています。
詐欺広告を見抜くためには、URLや価格、画像、文章の不自然さなど細かい点に注意を払い、少しでも違和感を覚えたらクリックしないことが大切です。
また、被害に遭ってしまった場合は、速やかにカードや電子マネーの停止、セキュリティチェック、Facebookへの通報、警察や弁護士への相談など、早めの対処が被害拡大を防ぐ鍵となります。
インターネット広告を見る際は、便利さと危険性の両面があることを理解し、日ごろから冷静な判断力を持って行動することが求められます。
安全にSNSを活用するためにも、正しい知識と対策を身につけておきましょう。
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