仮想通貨やNFTの普及とともに注目を集める「エアドロップ」ですが、その仕組みを悪用した詐欺も後を絶ちません。消費者庁も暗号資産に関するトラブル増加を受けて注意喚起を行っています
無料でコインやトークンがもらえるとうたう一方で、個人情報や資産を狙う悪質な手口が数多く確認されています。
詐欺の手法は年々巧妙化しており、誰もが被害に遭う可能性があります。
この記事では、エアドロップ詐欺の仕組みや具体的な事例を紹介しながら、被害に遭わないための対策方法や万が一の対処法をまとめました。
仮想通貨の安全な運用のために、基本的な知識と警戒心を持ちましょう。
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エアドロップ詐欺とは何？概要や仕組み
エアドロップ詐欺とは、仮想通貨やNFT（非代替性トークン）を無料で配布すると装い、個人情報や資産を不正に取得しようとする詐欺の一種です。
主にSNSやメッセージアプリなどを通じて偽のキャンペーン情報が拡散され、受け取る側が正当なプロジェクトと誤認するよう仕組まれています。
詐欺の内容によっては、受け取ったトークンに悪意のあるプログラムが含まれていることもあります。
仮想通貨市場の拡大と共に、こうした詐欺行為も増加している傾向です。
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エアドロップ詐欺のよくある手口
エアドロップ詐欺には、複数の典型的な手口があります。
もっとも多いのは、無料で仮想通貨やNFTを受け取れると称して利用者を誘導する方法です。
そのほかにも、実在する企業や著名人になりすまし、信頼を装って詐欺行為を行うケースがあります。
さらに、利用者の同意なくNFTやトークンを送りつけ、反応を促す手口も存在します。
では、それぞれの手口について、具体的にみていきましょう。
無料のコインやNFTが無料でもらえると謳う
エアドロップ詐欺では「今なら限定で無料配布中」「簡単な手続きでNFTがもらえる」などといった言葉が使われることが多いです。
得をしたいという心理を巧みに利用し、ユーザーが指示通りにリンクへアクセスすると、不正なサイトに誘導されることがあります。
本来、正規のエアドロップで秘密鍵を求めることはありません。
有名な仮想通貨サイトやインフルエンサーになりすます
エアドロップ詐欺では、実在する仮想通貨プロジェクトや取引所の名前を騙る事例が多く見られます。
正規のロゴや投稿文の一部を模倣して、SNS上で信頼性のある情報に見せかけることが大半です。
また、著名なインフルエンサーになりすましたアカウントが詐欺リンクを拡散するケースも確認されています。
しかし、ユーザー名や投稿履歴を注意深く見ることで、不審点を見つけられる場合があります。信頼できる情報源を自分で確認する姿勢が重要です。
暗号資産・NFTを勝手に送りつける
エアドロップ詐欺の中には、ユーザーが何もしていないにもかかわらず、ウォレットに見知らぬ暗号資産やNFTが送られてくるケースがあります。
一見すると得をしたように思えますが、これらのトークンには悪意のあるコードが含まれている可能性が考えられるでしょう。
送られてきたトークンを操作したことで、ウォレットの資産が抜き取られる被害も報告されています。
このようなトークンには触れず、信頼できる方法で非表示にするなどの対応が求められます。身に覚えのない資産は不用意に扱わないよう注意が必要です。
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エアドロップ詐欺の可能性がある手口・メッセージの例
SNS上に投稿された、エアドロップ詐欺の可能性がある手口・メッセージの実際の例を紹介します。
イーロン・マスクを騙る詐欺
イーロン・マスクをかたる詐欺業者。
エアドロップで5000ビットコインあげるとか、詐欺の臭いしかしない。
引っかかるやつ居るんだろうか?おそらくエアドロップ詐欺です。#エアドロップ詐欺 pic.twitter.com/cIGPb58WlU
— るシード (@lceed2000) July 2, 2023
著名な仮想通貨関連プロジェクトの運営を装い、期間限定のキャンペーンとしてエアドロップを宣伝しています。
実際には、記載されたリンクをクリックすると不正なウェブサイトに誘導され、ウォレットの接続や情報入力を求められる可能性があります。
信頼できるかどうかは、リンク先のドメインや公式の告知と照らし合わせることで見極めることが大切です。
公式ロゴを使用した悪質な例
#XYM のエアドロップ詐欺をご注意を#Symbol #XYM #エアドロップ詐欺 https://t.co/N0dptVSZGs
— Symbol_JP (@symbol_jp) March 29, 2022
Symbol公式アカウントを名乗る詐欺アカウントの出現について注意喚起がなされています。
実際の公式ロゴや名称がそのまま使用されており、一見して本物と見分けがつかない構成です。
詐欺アカウントは、フォロワー数を水増しするなどして信用性を高めたうえで、不正なリンクを拡散するケースがあります。
メタマスクへの身に覚えのない入金
見たとこないトークンがメタマスクに入金されてて、調べてみるとエアドロップ詐欺みたいです。
無視しますがメタマスクに入っているだけでいい気持ちがしないです。
大丈夫かな#エアドロップ #エアドロップ詐欺— えびちゃん(仮想通貨垢) (@kasouaka11221) April 9, 2022
利用者のメタマスクに突然見覚えのないトークンが入金されていた状況が報告されています。
調べた結果、それがエアドロップ詐欺に関連していると判明し、投稿者はトークンに触れず無視する方針を取っています。
このような手口では、受け取ったトークンをクリックしたり、関連リンクにアクセスしたりすると、資産を失う危険があります。
Tangem Japanも注意喚起するフィッシング詐欺
詐欺警告:
以下画像のような偽の Tangem コイン & フィッシングエアドロップにご注意下さい⚠️コミュニティの皆さまに、偽の Tangem コインとエアドロップを装ったフィッシング詐欺について警告します
⚠️以下にご注意ください:
❌ Tangem は ICO を実施していません。
❌ Tangem は… pic.twitter.com/bIDMI1pWy9— Tangem Japan (@tangem_japan) February 28, 2025
Tangem Japanが注意喚起として偽アカウントの存在を報告しています。
詐欺アカウントは公式のロゴや名称を模倣し、見た目では判別が難しい形で情報を発信しています。
中でも「無料配布」や「キャンペーンに当選した」といった内容を使って、リンクをクリックさせようとする点が特徴です。
投稿を信じて記載されたURLにアクセスすると、ウォレットの情報や秘密鍵の入力を求められることがあり、大変危険です。
アカウントが本物かどうかを判断するためには、認証マークの有無やフォロー先、投稿内容の一貫性などを冷静に確認する必要があります。
ウォレットに接続しただけでトークンを奪われるケース
🚨エアドロ詐欺に注意🚨$JITO の100万超えエアドロップでエアドロが盛り上がっていますが、詐欺がめちゃくちゃ多いから気をつけましょう。
ちょっと前に「PEPE保有者へエアドロップ！」っていう詐欺に引っかかって、ウォレットを接続しただけでトークン全部抜かれたことがあります。（悲しいね！）… pic.twitter.com/GroIJ2RNZN
— Neo(ネオ)＠metaland編集長 (@metaland_ste) December 8, 2023
投稿者はウォレットを接続しただけでトークンをすべて奪われたと述べています。
このように、接続だけでも資産流出が起こる詐欺も存在します。
スマートフォンのメタマスクで新規作成しても分離できない点に注意が必要です。
詐欺被害を避けるには、PCで新しいウォレットを作る方法が有効とされています。
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エアドロップ詐欺から身を守るための対策方法
エアドロップ詐欺の被害を防ぐためには、公式情報の確認や秘密鍵の厳重な管理、パスワードの使い分けといった基本的な対策を徹底することが求められます。
また、寄付の要求や不審なリンクに対しては、たとえ内容が魅力的でも慎重な対応が必要です。
SNS上の情報は見かけだけで判断せず、バーナーウォレットの活用など、安全を確保するための手段を日頃から取り入れましょう。
冷静な判断と継続的な警戒が、自分の資産を守る第一歩になります。
公式サイトや公式の情報のみ信頼する
エアドロップに関する情報は、必ずプロジェクトの公式サイトや公式SNSアカウントを通じて確認しましょう。
詐欺の多くは、実在のプロジェクトを装い、見た目が本物そっくりの偽サイトや偽アカウントを使って利用者を誘導します。
公式を装っていても、URLに微妙な違いがあることがあるため注意深く確認することが必要です。
たとえば、公式ドメインを真似た別の文字列を用いて、偽のキャンペーンページを作成するケースが見られます。
投稿内容やフォロワー数だけで判断せず、運営元の公式サイトから正規アカウントへのリンクをたどるなど、情報源を自分で確認することが、最も基本的かつ有効な防止策です。
信頼できる情報源を確認する習慣をつけることで、多くの詐欺から身を守ることができます
秘密鍵（プライベートキー）やパスワードは誰にも漏らさない
たとえ信頼していると思っていた相手でも、秘密鍵やパスワードは絶対に共有してはいけません。
秘密鍵やパスワードは、ウォレット内の資産を守るための最も重要な情報です。
一度でも他人に知られてしまうと、仮想通貨を不正に引き出されるリスクがあります。
エアドロップ詐欺では、あたかも手続きの一環であるかのように、秘密鍵の入力を求めてくる手口があります。
しかし、正規のサービスで秘密鍵の提供を求められることはありません。
秘密鍵やパスワードは、紙に書いて保存する際も保管場所に注意が必要です。
管理の甘さが思わぬ被害につながるため、厳重な取り扱いが求められます。
秘密鍵は自分だけが知る情報として、常に安全に管理することを心がけましょう
パスワードはサイトごとに変える
仮想通貨関連のサービスを利用する際は、各サイトごとに異なるパスワードを設定しましょう。
同じパスワードを複数のサービスで使い回していると、1つのサイトから情報が漏れた場合、他のアカウントまで不正アクセスされるおそれがあります。
エアドロップ詐欺に関連するフィッシングサイトでは、ログイン情報の入力を促されることがあり、そこで盗まれたパスワードが流用されるリスクを軽減するために使い分けが重要です。
覚えきれない場合は、信頼できるパスワード管理ツールを活用する方法もあります。
使い回しを避けることは、サイバー攻撃から資産を守る基本的な対策のひとつです。
複雑で一意のパスワードを使用することで、アカウント全体の安全性が向上します
寄付を求められても応じない
エアドロップ詐欺では、キャンペーン参加や報酬の受け取りに関連して寄付を求められることがあります。
たとえば、「先に少額の仮想通貨を送れば大きな報酬がもらえる」といった案内がされることがありますが、これは典型的な詐欺の手口です。
実際には、送金しても何の見返りもなく、資産を失う結果になることがほとんどです。
正規のプロジェクトが、報酬の受け取りに対して寄付や先払いを求めることはありません。
たとえ少額であっても、安易な送金は避けてください。
不自然な要求があった場合は、一度立ち止まり、公式情報を確認するように心がけましょう。
正当なエアドロップでは、参加者からの支払いは一切不要であることを覚えておきましょう
URLが送られてきてもアクセスしない
エアドロップ詐欺では、メッセージやSNSの投稿を通じて不審なURLが送られてくることがあります。
見た目は公式サイトに似せたものであっても、実際にはフィッシングサイトや悪意のあるスクリプトが埋め込まれたページに誘導される危険性があります。
特に「報酬を受け取るにはこちらをクリック」などと促す内容には細心の注意を払うべきです。
リンクにアクセスすると、ウォレット接続を求められたり、個人情報を入力させられたりする場合があります。
信頼できると判断できるまでは、どのようなURLであっても安易にクリックしないようにしましょう。
不明なリンクは無視し、常に公式サイトから直接アクセスする習慣をつけることが重要です
SNSのフォロワーの多さで信用しない
エアドロップ詐欺に使われるSNSアカウントの中には、フォロワー数が多いように見えるものも存在します。
しかし、フォロワー数だけでそのアカウントの信頼性を判断するのは危険です。
詐欺アカウントは、購入された偽のフォロワーや、過去に乗っ取られたアカウントを利用して偽の信頼性を演出している場合があります。
また、見た目は本物のプロジェクトそっくりでも、ユーザー名や過去の投稿内容をよく見ると不自然な点があることもあります。
SNSでは外見に惑わされず、投稿の一貫性や情報の出所を確認しましょう。
アカウントの真偽を見極めるには、公式サイトからの正規リンクを辿ることが最も確実です
バーナーウォレットを活用する
エアドロップを受け取る際には、通常使用しているウォレットとは別に「バーナーウォレット」と呼ばれる一時的なウォレットを用意する方法が有効です。
万が一不正なトークンが送られてきたり、詐欺的なリンクに接続してしまった場合でも、主要な資産を守ることができるでしょう。
バーナーウォレットは、仮想通貨の送受信専用として限定的に使い、普段の資産管理用ウォレットとは分けて運用します。
特にエアドロップのような外部とのやり取りが発生する場面では、安全性を高めるための基本的な対策といえます。
資産を分散して管理することで、被害が発生しても影響を最小限に抑えられます
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エアドロップ詐欺の被害に遭ってしまったときの対処法
エアドロップ詐欺の被害に気付いた際は、まずウォレットのアクセス権を見直し、不審な接続を解除する必要があります。
その後、ウォレットや取引所のサポート窓口へ連絡を行い、今後の対応について指示を仰ぎましょう。
加えて、消費生活センターや警察への相談も、被害の記録と回復に役立ちます。
法的な措置を検討する際は、専門知識を持つ弁護士の支援を受けることで、より適切な解決策を見出せる可能性があります。
ウォレットを凍結する
エアドロップ詐欺の被害に気付いた場合、最初に行う対応の一つがウォレットの利用停止、いわゆる凍結です。
ウォレット内の資産がこれ以上抜き取られるのを防ぐためには、ただちに接続を解除し、トランザクションの送信を止める必要があります。
具体的には、ウォレットのアクセス権を取り消すために、ブロックチェーンの承認状況を確認できるツールを利用し、該当する許可を取り消すことが有効です。
使用していたウォレットの継続利用は避け、新たなウォレットを作成して資産を移動させるのも一つの方法です。
使用しているウォレットや取引所のサポートに連絡する
エアドロップ詐欺の被害に遭った場合は、できるだけ早く使用中のウォレットアプリや取引所のサポート窓口に連絡しましょう。
取引履歴や不審なトランザクションの内容を伝えることで、今後の対応について具体的な指示を受けられる可能性があります。
一部の取引所では、アカウントの一時停止やセキュリティ強化措置を行ってくれることもあります。
証拠として、詐欺に関する画面のスクリーンショットや送受信履歴の保存を忘れずに行いましょう。サポートへの相談が被害拡大の防止と回復の第一歩になります。
消費生活センターへ相談する
エアドロップ詐欺のようなオンライン上のトラブルに巻き込まれた場合は、各地の消費生活センターに相談することも有効です。
消費生活センターでは、消費者トラブルに関する知見をもとに、具体的な対応方法や必要な手続きを案内してもらえます。
仮想通貨関連の被害は対応が難しい場合もありますが、被害状況の整理や他の相談先の紹介を受けることができます。
相談する際は、被害に関する資料ややり取りの記録、画面のスクリーンショットなどを事前に準備しておくと、よりスムーズな対応が可能です。一人で抱え込まず、早めに専門機関のサポートを受けましょう。
警察に相談する
仮想通貨を使ったエアドロップ詐欺は、れっきとした犯罪行為にあたる可能性があります。被害に遭った場合は、最寄りの警察署に相談することも検討しましょう。
相談時には、被害の経緯や送受信履歴、不審なメッセージの内容など、できるだけ具体的な証拠を持参するとスムーズです。
警察が対応するかどうかは被害の内容や金額、証拠の有無によって異なりますが、情報提供として被害届を出すことは、今後の捜査や対策に役立つ可能性があります。
オンライン詐欺は泣き寝入りせず、正規の手続きを通じて対応を進める姿勢が重要です。
弁護士から法的措置・民事訴訟のサポートを受ける
エアドロップ詐欺によって実際に金銭的な被害が発生した場合、弁護士に相談することで法的な対応が可能になることがあります。
状況に応じて、損害賠償請求や不正送金の差し止めといった民事訴訟の手続きを検討することができます。
仮想通貨を含むデジタル資産の取引は法的判断が難しい場合もあるため、暗号資産やネット詐欺に詳しい弁護士に相談するのが適切です。
被害の内容や証拠が整理されていれば、より的確な対応が受けられる可能性があります。一人で解決が難しいと感じたときは、早めに専門家の助けを求めることで、適切な手段を選ぶことができます。
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まとめ
エアドロップ詐欺は、仮想通貨やNFTの普及に伴って手口が多様化しており、誰もが被害に遭う可能性があります。
無料配布を装った誘導や有名人のなりすまし、不審なトークンの送付など、巧妙な方法で利用者を騙そうとします。
詐欺から身を守るためには、情報の真偽を自分で確かめる姿勢と、基本的なセキュリティ対策の徹底が欠かせません。
万が一被害に遭った場合は、適切な機関に相談し、早めに対応しましょう。
仮想通貨の利便性を活用しつつ、安全に取引を続けるためにも、冷静な判断と知識が重要な鍵となります。
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